2007年12月07日


 意識した恐怖は、理性で肥大化されていた。
 誤魔化し切れなかったのは、風船のような肥大した恐怖。
 悪夢のような幻影。
 立っている場所はどこだろう。
 檻の中なのに、俺は光の無い夜の森を作り出していた。



 ひとたび弾ければ。

 揺らがない檻の中。解けない檻の中。
 静かな。暖かな。穏やかな。
 凪。

 ――安堵。

 嗅げないことは怖いけど。
 その喪失は喪失じゃなくて、喪失じゃなくて、依存からの脱却。
 再び嗅げる日が来ても、ここまで寄りかかることはきっともう無い。
 嗅げないことよりも、その背に隠れるだけしかできなくなることの方が、…今は恐怖。

 強固な盾で、優しい檻。
 貴方を守りたい。
 その一心で、今の道を見つけたことを忘れずに。


「久我ちゃん、猫缶食ってみる?」
「食わない」

 晴の頭に拳骨ひとつ落として、深く酸素を肺から取り込む。
 大丈夫、……歩いていける。

 ……猫変身の頻度は、少ないだろうけども。 



P.S.
手紙、すぐ返信できなくてごめん。…暖かい言葉、ありがとう。
……頑張ろう。そうやって、強く思えた。本当にありがとう。
posted by 久我 at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語
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