2007年12月21日

結果、溜息、聖夜の前に。

 ようやく、体が調子を取り戻す。
 まだ微妙にぎこちないのは、きっと気のせい。

 …それと同時に、テストが帰ってくる。

 テスト期間になってから、結社で一緒に勉強会をした。
 苦手を教えて、教えられての勉強会は、期間中に一気に詰め込む付け焼刃状態とも言えるかもしれない。
 それでも、一人で分からないと唸るよりはずっとずっと良いには違いなくて、必死に一緒に飲み込んだ。
 消化不良でよくわからない言葉が、頭の中をぐるぐる回る。
 狭い場所で迷子になった可哀想な言葉たちに少しだけ詫びを入れた。
 けれど、今と昔の言葉の違いは単語の変化形に置き換えて覚えるようになってきた。
 それは丁寧にひとつひとつ教えてくれたお陰だった。

 空欄が前よりずっと減った古文の答案は、初めて見る点数になっていた。
 60点を超えて、70点にあと一歩だなんて。
 早く報告したくて、帰路を歩きながら喜びを抱えたままメールを打っていたら、送信する予定の相手からのメールが来た。
 そこには英語のリスニングが赤点だったと落ち込んだ言葉が綴られていた。

「……うぅ」

 悔しくて、思わず小さく声が出た。教え方が、下手にも程があるだろう。
 人に物を伝えるのは、確かにとても苦手意識がある。実際、下手と断言できる。
 克服すべきことは、恐怖以外にも沢山転がっているのだと痛感した。
 打ちかけのメールを一旦消して、情けなくてしょうがない思いを謝罪の言葉に変えた。
 そして、本当に助かったということを必死に言葉にする。だって、教えてもらった古文は人生初の高得点。
 重たくなった気持ちで送信ボタンを押して、それでも足りなかった分は溜息になって出てきた。

 とぼとぼ歩みを進めていると、数分も待たない内に新着メール。
 点数が上がったことを純粋に喜んでくれている言葉。
 勉強不足を反省する言葉。そして、気にしないでと優しい言葉。
 先生、と書かれていて、ちょっと苦笑した。
 テスト勉強の苦手と得意が逆だと話した時から、よろしく先生、と茶化しながらもそこにある気持ちは結構マジだった。(だって、マジで頼りにしてるから)
 こんな駄目な先生、いてもいいものだろうか。(今日はなんだかネガティブだ。いけない)
 俺よりずっと優秀な先生にひとつ提案をしてみた。

『英語、少しずつ結社で勉強しようか。
 俺も古文は朔に教えてもらえたら飲み込めるっぽいしっ。
 時間合うとき、勉強会でもしようぜ?
 こっちこそ、マジでよろしく。朔先生っ(笑)』

 じっくりと吸収したら、きっと大丈夫。
 じっくりとやり方を、俺も学べるだろう。
 今度こそ、「先生」になれますように。
 そうやって勝手に神様に願い事をふっかけながら、メールを送った。

「……こうやって、友達と勉強とか。……楽しいものなんだな」

 知ることができて、心の底から喜びを感じている。
 能力者になったことによって、仲間も、友達も、  も。大切なものを沢山得た。
 この道にも限界が無いのだなと、とりとめなく考えて、マンションの鍵を開けた。



 かなり下がってた数学と日本史の点数にもうちょっとだけ呻いたのは、その後のことだった。

「数学得意なんだな……俺下がった」
「あ、現代文点の数同じだな♪」
「……あんた、それで大丈夫なのか。受験生。ていうか英語とか」
「あーあーあー聞こえないー」

 苦手は、苦手か。やっぱり。思わず苦笑が漏れた。
 ……でも数学は教えてもらおう。

 色々と心に決めた、後期中間テストになった。
posted by 久我 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語
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