2007年12月21日

結果、溜息、聖夜の前に。

 ようやく、体が調子を取り戻す。
 まだ微妙にぎこちないのは、きっと気のせい。

 …それと同時に、テストが帰ってくる。

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2007年12月19日

戦い、傷、テスト。

 体が重たい。微妙に熱を持っているみたいだ。
 傷ついた組織が周りをぎゅうと引き寄せて、体中引き攣れている。

 それが集中できない言い訳。

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2007年12月07日


 意識した恐怖は、理性で肥大化されていた。
 誤魔化し切れなかったのは、風船のような肥大した恐怖。
 悪夢のような幻影。
 立っている場所はどこだろう。
 檻の中なのに、俺は光の無い夜の森を作り出していた。


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2007年12月06日

白閃

 できるものと引き換えに、できないものができるようになる。
 できるものができなくなって。
 できなかったことが、できるようになる。

 言い方を変えて、何度か頭で反芻した。
 要するに、嗅げなくなった。でも猫になれる。

 ジョブチェンジ前には、度々話題に出して笑っていたことだった。
 俺が、猫に変身する。
 でも猫の生態とか、生活とか、さっぱり知らない。だから変身できても変身しない。
 そうやって笑ってた。

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藍空

 細く紡がれたより糸を、左右から強く引いてぴんと張る。
 少しずつ絡まりが崩されて、糸になる前に戻っていく。
 じりじり、じりじり。
 責め苦にも似た緊張感。


 冬の陽はとっとと身を隠してしまう。
 まだ夕方といえる時刻なのにとっぷり暗い世界。闇色のコップが夜にこぼされてしまった。
 明るくても怖い。暗いともっと怖い。そうやって外を見ているのも、怖い。
 外を一人で歩くのはもっと厭だ。絶対厭だ。怖い。
 後押しする恐怖で、適当につけられた薄いカーテンを力任せに引いて夜との境界線を創った。
 物語に怯える幼子のようだ。――不愉快。

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2007年12月05日

眩暈

【本業がゾンビハンターから、魔弾術士に変更されました】

 ……

 ほら、何も変わってない。
 俺は俺で、いつも通り。
 そうやって初めての感覚にひとつ息を吐いてから。

 気付いた。

 ――嗅げない。

 イグニッションしなくてもできるようになっていた、“死人嗅ぎ”。
 人と死人の狭間のにおい。
 もう慣れてきていて。それを嗅いで、自衛に備えていた。
 備えたら、立っていられる。覚悟できた。
 定められた通り、生きるために武器を振るうだけだ。

 でも。

 ――嗅げない。

 世界が歪んだ気がして、壁に手をついた。

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2007年08月11日

ずっと、迷ってた。

 二つの駆動音。
 右に一つ、左に一つ。
 聞き慣れてきた動力炉の音。

 興味を持っていたから、晴に教えてもらい始めてた。
 なので、弦を弾くことの楽しさを覚え始めていた。
 弦楽器に触れるのは初めてだった。
 キュイと弦を擦る音にゾク、と感じた快感。

 あ、クセになってきた。

 Crow ver.で晴の私物をいじるだけだったから、自分のが欲しいなと思い始めてた。
 でも自由になる金銭は全部生活費。
 親に甘えて買ってもらうのも、なんか恰好悪い。
 バイト、始めようかな。

 そう思ってたところ。


 ――ガン

 思い切り振り下ろして、左手にじんわり伝わってきた振動。
 弦の擦れる音とは違うその衝動。

「……なんちゃってカー○・コバーン…」

 フリッカークラブになった悦楽はここにある。

 …気がする。
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2006年12月14日

【はじまりのこと】4

 思いやりの問題、と。
 確かに利賀之の後輩は溢した。聞きとめた側の顔に再び、にまりと人の悪い笑みが浮かぶ。

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2006年10月18日

【はじまりのこと】3

 恐らく、他の団員たちに聞いたとしても久我の述べた結社の感想とそう変わらない言葉が返ってくるだろう。彼らが心底楽しんでいるのは結社で過ごす様子から見て取れた。
 付け足すようにそう利賀之に伝えると、利賀之は楽しげに頬を緩めた。
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2006年09月15日

【はじまりのこと】2

 利賀之はそれなりに魔剣習得に苦労したと溢しながらも、努力家と言われると首を傾げた。
 尽力は努力にならないのだろうか。
 そこの価値観がいまいち理解できなくて、久我も一緒になって首を傾げてしまった。
 ぶち抜きのだだっ広い広間で、体格に差はあれど、高身長な青少年2人が向き合って首を傾げている図はなんとも滑稽だった。
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2006年09月11日

【はじまりのこと】1

「久我、お前もてたりしたの?」

 突如切り出された話題に、久我は目を数度瞬かせた。
 人がはけて静かな結社に何気なく残っていたところだった。日はとっくに落ちて、緩やかな闇が外を包んでいる。ログハウスに暖かなロウソクの光だったら、何かバカンスやキャンプといった風情なのだが、残念ながら蛍光灯の光は遠慮を知らず、白々と照らされた薄い色の檜は真新しさを必要以上に際立たされている。
 利賀之の質問に答えようと、小首を傾げて覚えている限りの記憶をとりあえず漁ってみるが、男子はもちろん、女子とも当たり障りなく仲良くはやれてきていたけどもモテたかというとよくわからない。告白されたという事実も思い当たらないので特にそういったことはないと久我は思う。

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